オルニチンのはたらきと効果-05.アルコール性疲労の抑制

アルコール性疲労の抑制

お酒を飲んだ翌日のだるさや眠気の原因

お酒を飲んだ翌日はだるさや眠気、なんとなく頭が重い感じがあります。この疲れは、肝臓がつくり出す脳のエネルギーが不足することによって起こると考えられます。なぜなら、お酒は代謝の過程でエネルギーを消費するからです。

飲酒によって肝臓の機能が低下

アルコールを摂取すると、肝臓内にニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)という物質が増加します。
過剰なNADHは、脳のエネルギーとなる糖やケトン体を肝臓がつくり出すためのはたらきを妨げます。

オルニチンがアルコール性疲労を防ぐ

オルニチンが肝臓のはたらきをサポートすることで、エネルギーをつくり出す際に障害となる要因を取り除くことができると考えられます。

オルニチンの「アルコール性疲労」抑制効果の検証

試験結果

飲酒習慣のある人がオルニチンを摂取することで、疲労の自覚症状やストレス状態の改善が期待できます。

オルニチン摂取グループでは、プラセボ摂取グループと比較して、飲酒習慣がある人の疲労の自覚症状やストレスの指標が有意に改善することがわかりました。この結果から、オルニチンには飲酒による疲労やストレスを軽減する効果が期待されます。

プラセボ:有効成分の入っていない試験食品のこと。

試験概要

「①2日に1回以上の飲酒習慣がある」、「②健康診断の肝臓検査値が高め」、「③POMSアンケートで疲労スコアが高い※1」の全てに該当する20〜45歳の男女20名を対象に、オルニチン400mg、またはプラセボを8週間摂取させ、試験開始から1週間ごとにアンケート調査※2により疲労の自覚症状の改善度を測定しました。また、試験8週目にストレスの指標※3を測定しました。

※1 POMSアンケート(気分プロフィール検査)で「疲労スコア50以上」、「活気スコアが低い」こと。
※2 OSA睡眠調査票MA版:起床時に睡眠の質や寝起きの体感を評価する心理尺度のうちの第Ⅳ因子「疲労回復」について。
※3 血清DHEA-S/血清コルチゾール:ストレス時に分泌される「血清DHEA-S」「血清コルチゾール」は、生体にストレスが負荷されると活性化されるストレスマーカーの1つで、その割合(DHEA/コルチゾール比)が重要といわれている(うつ病の患者ではコルチゾールが高く、DHEAが低い)。

疲労の自覚症状推移
試験8週目の血清DHEA-S/血清コルチゾール値

*p< 0.1 vs プラセボ
西村(2012)

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